株式会社ストラトブルーテクノロジーは、株式会社ヘキサメディア(埼玉県川口市、代表 野口克也)と合同で、米国の標準化機関であるNational Institute of Standards and Technology(NIST)が提唱するドローン操縦者技能評価方法であるSTM (Standard Test Methods) for SUASを全国に先駆けて本年10月28日に川口市消防局訓練場にて消防隊員および救助隊員に対して訓練を行った。
日本初、川口市消防局でドローン技能評価方法”STM for SUAS”を実施
株式会社ストラトブルーテクノロジーは、株式会社ヘキサメディア(埼玉県川口市、代表 野口克也)と合同で、米国の標準化機関であるNational Institute of Standards and Technology(NIST)が提唱するドローン操縦者技能評価方法であるSTM (Standard Test Methods) for SUASを全国に先駆けて本年10月28日に川口市消防局訓練場にて消防隊員および救助隊員に対して訓練を行った。
背景:
近年、ロボットを活用したインフラ点検や物資輸送など人が立ち入れない箇所や労働者不足に対応する動きが活発となっており、中でも無人航空機(以下ドローン)は非常に安価で高性能な製品が出回っており、長い滞空時間、優れたセンシング技術による安全航行機能、高い耐風性能などを持ち、経験の浅い操縦者でも容易かつ安定的に飛行させることができる。また、現在、ドローンの操縦は一部(農薬散布機)を除き資格は不要であり、航空法に定める200グラム以上の機体の飛行方法(夜間飛行など)および飛行場所(DID地区など)の申請に必要な要件は飛行させる者の10時間の経験のみである。
また、一般のドローンスクールによる技能講習はその10時間を飛行を経験させるためとなっており、技能レベルは必ずしも十分では無い操縦者が産出されているのが実情となっている。理由としては、国内のドローンスクールにおける実技検定は操縦に必要最低限の技術習得を目的としており、技能評価基準はスクールや講師単位でも絶対的なものでは無い。このままでは技能水準にバラつきが生じ、特に点検や災害現場で事故につながるケースが増加する恐れがある為、評価基準を明確にし、操縦者の技能を可視化、定量化することが必要であった。
結果:
今回の訓練では、非常にシンプルかつ再現性可能な方法で操縦者の技能レベルを可視化、定量化でき、操縦者の技能不足を動画および静止画から振り返ることが可能となった。
また、操縦者はこの手法を反復訓練することで、自ら技能向上の度合いを数値で評価できるため、技能到達目標の設定が非常に明確となった。
訓練詳細:
STM for SUASで活用する機材は主に下写真で示すような木材と樹脂製のバケツで構成される。
これはNISTのテストメソッド考案のポリシーである、ホームセンター等で簡単に入手できる材料で個人単位でも訓練ができることを旨としているところがポイントである。
バケツ一つ一つの内部の底部分には太いサークルで囲ったアルファベットや数字(場合によって絵柄)が書かれていたシートが入れられており、その図柄をドローンを飛行させながら正確に位置どりとカメラ操作を行いあらかじめ決められた時間内に機体高度や順番で撮影をしていくタスクが操縦者に与えられる。
機体の位置やカメラの操作を誤ると正確な撮影ができず、また、規定の時間内に正確に着陸をさせないと減点となるため操縦者は緻密な操作技術が要求されるため、個人個人の技能の差が明確になることとなる。この手法が現時点で最も合理的に技能の評価が行える手法と認識している。
タスクの種類は図1で示されるように1)Position 2)Traverse 3)Orbit 4)Spiral 5)Sustain Speed/Deliverの5種類であり、個々の課題内容は数パターンに分けられるため、シンプルな機材ながら非常にバラエティに富んだ訓練が行えことがメリットである。
図1(機材配置図と飛行課題)